川崎市麻生区金程小でどんど焼きのやぐら作り:地域と学校が支える

  市民記者 森 正昭

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川崎市麻生区の金程小学校で、1月18日に「どんど焼き」が行われる。それに先立ち、10日と11日の2日間にわたり、同小学校校庭で地域と学校が一体となり準備作業が行われた。

写真(撮影:森正昭)=子どもも参加してどんど焼きのやぐら作りやぐらにかやを載せるやぐらのまわりではさまざまな作業縄を巡らせる作業
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このどんど焼きは、毎年金程地区の向原、金程、金程富士見の3町会の協力で行われ、ことしは金程富士見町会(会長 古内丈介さん)がその推進を担当する。
11日は、3町会のおとな約100人と子ども約40人が集まり、2基の円錐形やぐらの仕上げ作業行った。大きな方は、底辺直径が6m、高さ20mにもなる巨大なもの。小さな方は高さ10mほどで、おとなの指導で子どもたちが作業に取り組んでいた。
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竹で組み上げたやぐらの周りでは、萱(かや)の束を作る人たち、それをやぐらの上部に乗せる人たち、縄を巡らせ縛り付ける作業をする人たち、竹の緑の細枝を切りだす人たちなど、手慣れた作業が進んでいた。また、女性たちは昼食の準備に余念なかった。
ここで使われる太いモウソウ丈は金程地区で切り出しているが、大量の萱は金程地区の宅地化で確保できなくなり、多摩ニュータウンのほうから届けてもらっているとのこと。
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子どもたちの作業を指導していた元PTA会長の伊藤清志さんは「5年前から学校側と相談し、子どもたちも作業に参加するようになった。もともとは、子どもたち自身がやる仕事だったのですよ」と話してくれた。子どもたちはワラまみれになりながらも顔を紅潮させ萱の束を作っていた。
同校の府津羅裕子(ふつらゆうこ)教頭によると「子どもたちは、今回4年から6年生までの希望者が参加、学校が始まったらどんど焼きのいわれを学びでき上がったやぐらを見学する予定」と説明。金程で農家を営む白井静夫さん(76)は「区画整理事業を契機に、人々の交流が増え、どんど焼き復興につながった。昔は、中学生が小学生を指導し作っていた。そのころ年長者たちから指導されてきたことが染みついていたのが大きい」と話してくれた。
この「どんど焼き」が続いてきたのは、地域の人々の交流と熱意、学校の参加、さらには近隣の人たちの理解と消防や警察の協力も大きいようである。