川崎市多摩区と麻生区の6寺院が七福神めぐり

川崎市多摩区と麻生区の寺で七福神めぐりが行われている。
生田仏教会に属する多摩区の4寺と麻生区の2寺の6つの寺院が「武州稲毛七福神」と名づけて、1988年から催しているもので、毎年初詣を兼ねて訪れる人たちでにぎわう。
各寺に統一した赤いのぼり旗や案内板、ちょうちんを飾るほか、専用の色紙や朱印を各寺で用意している。
1日から3日までで、時間は午前9時から午後4時。
七福神めぐりを行っている寺院は次の通り。

大黒天
廣福寺
多摩区枡形6─7─1
交通=向ケ丘遊園駅歩10分
慈覚大師が承和年間(834〜848)に創建したという古寺。稲毛三郎重成の居館跡で、重成の墓もある。本尊の木造聖観世音菩薩は鎌倉時代末期から南北朝時代初期の作とされ、平安後期の特色を持つ木造地蔵菩薩とともに県指定重要文化財の指定を受けている。
大黒天は本堂に安置されている。

毘沙門天
安立寺
多摩区東生田1─27─1
交通=向ケ丘遊園駅歩10分
同寺の帝釈天は、源頼朝の重臣の稲毛三郎重成が所有していた。建久年間(1190〜1199)に家臣の佐伯民部吉春に伝えられ、さらに飯室の釈迦堂に移された。永禄年間(1558〜1570)に釈迦堂を改めて現在の寺が建てられたという。毘沙門天は本堂横の帝釈堂に安置されている。

弁財天・寿老人
盛源寺
多摩区長沢1─29─6
交通=百合ケ丘駅からバス盛源寺または向ケ丘遊園駅からバス病院入口歩1分
1573年久翁力正が開基したと伝わる。この一帯はわき水が豊富で、弁財天はかつて裏の池にまつられていた。現在は周囲に池をめぐらした堂に安置されている。寿老人も本堂近くの堂にある。

恵比寿
観音寺
多摩区生田7─17─8
交通=生田駅歩3分
旧津久井街道に面した寺の境内には、1396年に立てられた古い碑もあり、歴史をしのばせる。七福神めぐりを始めたさいに、商店などの地元の希望で恵比寿が選ばれた。

布袋尊
香林寺
麻生区細山3─9─1
交通=新百合ケ丘駅からバス細山交番前歩3分
1525年に南樹法泉和尚が開山。「昭和の五重塔」として広く知られる1987年に造られた五重塔は珍しい禅宗様式。布袋尊は期間中は本堂に安置される。

福禄寿
潮音寺
麻生区高石2─21─1
交通=新百合ケ丘駅からバス園芸センター下車歩5分、百合ケ丘駅歩10分
永享年間(1429〜1440)に日峰禅師が開山。1652年に加賀美氏が現在地に再興したという。本堂にある福禄寿は、中国風の服装をしている。