川崎市制記念多摩川花火大会が8月16日、川崎市高津区の二子橋下流の多摩川河川敷で催され、広い河原を埋めた市民たちは夏の夜空を彩る光と音のページェントに酔っていた。
この花火大会は川崎市の市制施行を記念して昭和の初めに六郷橋付近で始まったもので、途中中断したり、会場が変更されたこともあったが、ことしで67回を数え、夏の風物詩として多くの市民に親しまれている。また、対岸の世田谷区も二子橋上流で同時開催しており、川をはさんでの花火の競演が人気を集めている。
会場には、浴衣姿の若者や家族連れなどが飲み物や食べ物を携えて夕方から次々と訪れ、打ち上げの午後7時前には両岸の河川敷や堤防は人波で埋まった。
人出は主催者によると、川崎市の花火大会が川崎側17万2千人、東京側7万5千人(合計24万7千人)、世田谷の花火が東京側28万3千人、川崎側7万5千人(合計35万8千人)で、2つの大会を合わせて60万5千人にのぼった。
川崎市消防音楽隊の演奏とレッドウィングスの演技に続いて、阿部孝夫川崎市長が「北京ではちょうど五輪が開かれており、川崎市からも選手が出場している。ことしはオリンピックをテーマにした花火も用意されており、ぜひ楽しんでください」とあいさつした。阿部市長らのスイッチで7時から花火の打ち上げが始まり、スターマイン21基をはじめ1時間にわたって趣向を凝らした花火約6千発が夜空を彩った。世田谷側でもほぼ同時に打ち上げられるため、両方見ようと首を左右に振る観客も多く、「忙しくて疲れた」などとぜいたくな悩みを口にする人もいた。
台風の影響で、花火の終了直後から稲光が光り、雨もぱらついてきたため、家路を急ぐ人で会場はごった返していた。