任期満了で6月15日に告示、22日に投票が行われる狛江市長選挙の立候補予定者を招いた公開討論会が、13日に狛江駅前のエコルマホールで開かれ、約500人の聴衆は2人の候補者の主張に熱心に耳を傾けていた。
写真=公開討論会の全景、コイントス、議論を展開する2人の立候補予定者
討論会は、市民有志で構成する「狛江市で公開討論会を実現する会」(松崎学代表)が「地域の政治に関心を持ち、狛江の抱える問題解決のために地域のリーダーを自分たちの手で選ぼう」と、各地で開かれている公開討論会を参考に、公開討論会支援NGOリンカーン・フォーラムの後援を得て、はじめて催した。
この日は、立候補を予定している4期目を目指す現職の矢野裕氏(61、無所属=共産党推薦)映画プロデーサー伊藤正昭氏(41、無所属=民主、国民、日本、生活者ネット)が出席。元市議会議長の高橋清治氏(57、無所属=自民、公明推薦)は欠席(理由は自身のHPで発表)した。
討論会は、コーディネーターの元テレビ朝日アナウンサー高井正憲さんがコイントスで発言順を決め進行、発言は公平性を保つため制限時間を設け30秒前にフリップで示して時間を切り、その後再発言・質問ができる形式で進められた。また耳が不自由な人にも発言内容がわかるように手話通訳とコンピューターを使った要約筆記も行った。
2人の候補は最初に自己紹介と所信表明をした後、同会が事前に各候補に行った現状認識、将来と主要重点施策、財政健全化、地域産業の活性化、子育て対策、団塊世代対策の5項目の質問と狛江市の個別課題などを公約やマニフェストに沿って発言した。相手に対する質問もあり、白熱した展開となった。また○×形式の質問では同じ答えを出して思わず顔を見合わせるシーンもあった。
同居する義理の母と出席した30代の主婦は「子育て中で、普段は街頭演説に足を止めて聞くこともできなかった。ビラの文章で読むのに比べ、ゆっくり座って2人の肉声で政策や考え方が聴くと違いがよくわかり、投票の参考になりました」と話した。また、パソコンによる筆記を主催者に願い出た「狛江聞こえにくい人のふれあい会」の代表・長谷川洋さんは「会員を誘って参加しました。手描きの要約筆記だと少し遅れるが、きょうはパソコンの筆記で希望がかなえられ、主催者に感謝している。個人的には障害者、高齢者についての意見をもう少し知りたかったが、内容がしっかりとしていてよかった」と満足そうだった。
代表の松崎さんは「立候補予定者全員の出席が実現できなかったのは残念だが、多くの方に来場していただき、投票の参考にすることができたと思う。今後は、当選した人を招いて、公約、マニフェストの検証もしていきたい」と話していた。