「四季の彩りと歴史を伝えるまち」をテーマに10月20日、川崎市多摩区枡形の生田緑地で多摩区民祭が催され、家族連れなど約71,000人(主催者発表)でにぎわった。この日は、朝から青空が広がる絶好の祭り日和とあって、会場には次々と市民が訪れ、緑地の各所に配置された出店を回ったり、色づき始めた木々の下でお弁当を広げたりして、秋の風情を楽しんでいた。
写真=風船を割って開幕を祝う阿部市長ら
今回で30回目を迎えるのを記念して、風船で「30」の文字が飾られた噴水広場の特設ステージでは、午前10時から開会式典が行われた。阿部孝夫市長らが直径1m以上もある大きな風船を針を付けた棒で割ると、中から色とりどりの小さな風船が空に舞い上がり、参列者からは拍手と歓声が上がった。阿部市長は「多摩区が誕生して35年、区民が育ててきた区民祭も30回目を迎えた。生田緑地に開場を移して5年目になるが、ますます充実し、多摩区民の底力を感じさせる祭になってきた。実りの多い、すばらしい思い出に残る祭になって」とあいさつした。
広い会場には官公庁や市民団体など96にのぼる展示や販売などのテントが木立の間に並び、活動の紹介や日曜大工、ロボットの操作、白バイの試乗、車イスや福祉車輌の試乗などの体験、手作り品や食べ物の販売などを行いった。水道局による生田の天然水「恵水」などの水の味を当てる「きき水」コーナー、コイやカメなどにさわったり、カニやザリガニつり、アユの塩焼きなどの「多摩川水族館」、多摩区の観光名所などを紹介した多摩区推進協議会などをはじめ、各所に順番待ちの長い列ができていた。また、川崎のマスコット「ふろん太」も会場を回り、子どもたちが盛んに握手を求めるなどの人気をよんでいた。
交流を行っている静岡県岡部町、千葉県南房総市千倉町、山形県飯豊町がお茶やメロン、野菜などの特産品を販売したほか、新たに狛江市も加わり、写真パネルや市民活動・生活情報誌「わっこ」のバックナンバーの配布、菓子の販売などを行い、人気をよんでいた。
区内にある明治、専修、日本女子の3大学では、学生たちがテコンドー、ダンスなどを披露、熱演に盛んな拍手が贈られていた。
ステージでは、開会式に続いて5時間にわたって太鼓やロックソーランが披露された。昼過ぎには初の青空寄席が催され、区内在住の落語家桂米多朗師匠が、多摩区観光親善大使のたすきをかけて高座に上がり、地元の特産品アユやナシなどを織り込んだ落語を披露、観客からはユーモアたっぷりの話になごやかな笑いが盛んに上がった(写真左)。
この日は、川崎市民のために生田緑地内にある日本民家園、青少年科学館のプラネタリウム「メガスターII」が無料で公開され、また岡本太郎美術館も入館料を割り引いたため、家族連れなどが次々と入館した。民家園ではこっとう市(写真右)が開かれ、掘り出し物を求める人でにぎわった。