川崎市麻生区古沢の田で10月6日、親子約200人が参加して稲刈りが行われた。農家でも機械で刈るのが一般的だが、この日は3時間ほどをかけて、カマを手にした小学生らが黄金色に実った稲を1束ずつていねいに刈り取った。ことしの稲は日照と雨に恵まれ、これまでにない出来だという。
この稲刈りは、米作りを通して都市農業の大切さを知るとともに、親子のきずなを深めてもらおうと麻生区が地元農家の協力で子ども会、青少年指導委員、体育指導委員などを中心に実行委員会を結成して毎年催している「親子体験農業」の一環。
参加した子どもたちは、カマの使い方や刈り取った稲の束ね方を教わった後、午前9時半ごろから田んぼに入って稲刈りに挑戦した。カマを握るのが初めてという子も多く、最初は見守る親たちをハラハラさせたが、慣れるに従って「すごくおもしろいよ」と額に汗を浮かべながら隣の子と競争するように次々と稲を刈り取った。
稲刈りに続いて、稲を束ねて逆さにして乾燥する「掛け干し」の作業を行ったが、子どもたちは稲の束を腕いっぱいに抱えて運びながら、「どんなお米ができたか、いまから収穫祭が楽しみ」と実りを秋を楽しんでいた。
この日収穫された稲は、同所の鈴木
宏平さん方所有の水田で6月に約300人が参加してモチ米の苗を植え、草取りなどを行って大切に育ててきたもの。収穫した約500kgの稲は10月27日に脱穀、11月23日の収穫祭を行う予定。