小田急線新百合ヶ丘に建設中の川崎市アートセンターの愛称が決定:今村監督のカンヌ映画祭パルムドールトロフィーも展示

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川崎市は、「しんゆり・芸術のまち」の拠点として小田急線新百合ヶ丘駅北口に建設中の「川崎市アートセンター」に設置する劇場と映像ホールの愛称がそれぞれ「アルテリオ小劇場」「アルテリオ映像館」に決まった。センター内には、2006年5月に亡くなった映画監督・今村昌平さんがフランスの「カンヌ国際映画祭」で受賞した2つのパルムドール(グランプリ)トロフィーが展示される。

写真はカンヌ国際映画祭パルムドール受賞トロフィー(東映株式会社提供)

愛称は、6月12日から7月10日まで公募、全国の125人から寄せられた234点の中から「川崎市アートセンター・ホール愛称選考委員会」(委員長、小宮山健治川崎市市民局長)が「語呂がよく、呼びやすい」などの点から選考し、多摩区の佐藤静生さんの作品「アルテリオ」を採用、市が2つのホールの性質を表す小劇場と映像館を後ろにつけた。同センターの建設を担当する市民局市民文化室によるとは、「芸術」を意味するイタリア語「アルテ(arte)」と「百合」を意味するスペイン語「リリオ(lirio)」を併せた造語という。
小劇場は2・3階部分を使い、舞台間口11.45m、、舞台から天井までの高さは8.5m奥行きは固定舞台部分6.37mで前席4列が可動舞台となり最大で11.67mになる。客席は車イス2席を含め195席(最大214席)。演劇からコンテンポラリーダンスまで多様なジャンルに対応できる設計となっている。映像ホールは、スクリーン部分が9.55m、字幕同期システムや目の不自由な人も映画を楽しめるイヤホーンガイド付きのバリアフリー上映機能を取り入れた設計で、客席は車イス2席を含み113席となっている。
今村監督が「楢山節考」(第36回カンヌ映画祭・1983年)と「うなぎ」(同50回・1997年)で受賞したパルムドールトロフィーは、入り口となる2階のメインエントランス部分に展示する予定という。今村監督は、新百合ヶ丘駅北口の日本映画学校の創設者で、1997年に川崎市文化賞を受賞、同駅周辺で開催しことし13回目を迎える「KAWASAKI しんゆり映画祭」でゲストとして参加するなどの縁から、川崎市がトロフィーを所蔵する東映(株)と今村プロダクション(株)から寄託を受け常設展示することになった。
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同市はまた、同センターのロゴマーク(写真左)も発表。ART(アート)をシンボリックにデザインしたマークで、英文字はARTを強調した形で表記する。
同センターは、10月31日にオープンの予定で、11月中旬から演劇、人形劇などのほか、弁士付のサイレント映画や、今村昇平監督の映画などのオープニングイベントを予定している。

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