麻生区の健康の森で星を楽しむつどい:月のデコボコに80人が歓声

   市民記者・小川誠治 

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川崎市麻生区多摩美の小川誠治さんが自宅に主宰する「オーロラ天文台」主催の「第8回星を楽しむつどい」が8月5日夜、川崎市麻生区の「市民健康の森」で開かれた。

写真(矢島悦宏さん撮影)=望遠鏡で星空を見る市民ら

 これまで毎年同天文台が行っていたもので、ことしは初めて会場を野外に移して開催した。というのも、同天文台には25cm反射赤道儀という比較的大きな望遠鏡を設置しているが、ドーム内には一度に5〜6人程度しか入れず、そのため外にお客様をお待たせすることも多く、心苦しいこともあった。そこで、今回は18cm反射望遠鏡や10.5cm屈折望遠鏡など3台を渋谷星の会のメンバーが持参して広い会場に移り、多くの人にたくさんの星を見てもらおうという計画だ。
 当日は最初に簡単なセレモニーが行われ、主催者を代表してオーロラ天文台の小川誠治さんが「多摩美地区は市内でも星空の見えるポイントのひとつ。きょうは夏の星空を楽しんで、星空のまちづくりをつくろう」と挨拶した。続いて、協力者である若葉町会の岡村克彦会長、麻生多摩美森の会の長澤宗行副会長、渋谷星の会の守屋事務局長がそれぞれ挨拶した。

 さっそく、望遠鏡は半月よりやや太めに輝く月齢11.3の月に向けられ、月面のデコボコを見た。詰め掛けた、約80人からは「これは、スゴイ」とか「こんなにデコボコが見えるのか」といった驚嘆の声があちらこちらから聞かれた。また、西空には木星も見えていて、木星を回る月がこの日は二つ見えて、木星表面に見える縞模様とともに「ヘー」とか「ほーっ」いうため息交じりの声も。途中、雲に少々邪魔されながらも、七夕の星であること座のベガやわし座のアルタイル、白鳥座の美しい二重星アルビレオなどの星を楽しんだ。
 会場では、渋谷星の会のメンバーに星のことを質問をしたり、星座早見盤の使い方を聞いたり、中にはお子さんの夏休みの宿題について相談する親子の、微笑ましい風景も見られた。
 心配されていた蚊(か)の発生も、当日の朝麻生多摩美森の会の皆さんが草刈をしてくれたおかげで、あまり被害にあわなかった。若葉町会のみならず、多摩美地区の各町会の掲示板にも、つどいのポスターが貼られ、主催者の小川誠治さんは「今回とつどいが成功したのも、地元の皆様のご協力があったからこそ。感謝の気持ちでいっぱいです」と語っていた。