川崎市宮前区の土橋小学校(山田雅太校長)で7月3日、「Jリーグ百年構想サッカー教室」が開かれ、川崎の選手5人が先生役を務め、教室でサッカーに対する思いを語ったり芝の校庭でゲームをして児童約100人と交流を深めた。
写真(上から)=児童とミニゲームする鄭選手と杉山選手、教室での授業、下校時に青のお兄さんと交流する児童
この教室は、子どもからお年寄りまでスポーツを楽しめる環境づくりにと全国の学校校庭・園庭の芝生化の拡大を推進する日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が、川崎市をホームタウンとする川崎と共催。講師は、ことし大学や高校を卒業してに入団したFW・鄭大世(ちょんてせ)、同久木野聡、MF鈴木達矢、木村祐志、GK杉山力裕の5選手と久野智明元選手ら育成部コーチ4人に、チームのマスコットふろん太君とJリーグ百年構想メッセンジャーMr.ピッチも参加した。
午後から開かれた教室は、室内での授業、校庭でサッカーコーチ、校門前の横断歩道で交通安全指導の3部構成。6年生の総合的な学習単元として職業について学ぶ「キャリア教育」の時間を当てて行われた授業では、5人の選手が3クラスに分かれて教壇に立ち、夢を持つ大切さや実現するための努力などについて自分の経験を交えて話した。子どもたちからは「プロになりたいと思ったのはいつ?」「やめたいと思ったことは?」など質問が出され「練習がきつくてサボりたいと思ったこともあるけど、気がついたら練習に行っていた」と選手になるためにひたむきに努力した姿勢が披露された。韓国語のあいさつを教えた鄭選手のクラスでは、人種差別を受けた経験などするどい質問も出され、子どもらは真剣な表情で授業を受けていた。
その後、校庭でボールを使う準備体操やリフティングを行ったのち、児童と選手・コーチ組に分かれてミニゲーム。6時間目のこの授業が始まるころから雷がなって雨雲が広がり、主催者を心配させたが、にわか雨も降らず、選手は華麗な技を披露、順番待ちの子どもたちはさかんに声援やと大きな拍手を送り、和やかな雰囲気のなかで進めれた。終了式でクラブからは8月の試合観戦の招待が発表され子ども達は大喜び、選手らは「ゴールをプレゼントするので、ぜひ応援に来て」と話しかけていた。
下校時には、選手らが「緑のおばさん」ならぬ「青のお兄さん」として校門前の横断歩道で黄色の旗を持ち交通整理、子どもたちは選手を囲んでサインや握手を求め、ふれ合いを楽しんだ。子どもたちは「すごくうまくてびっくりした」「プロの選手と試合ができて楽しかった」などと話していた。一方講師役の鄭選手は「前日にレポートをまとめて授業の準備をした」と真面目な一面を覗かせ「授業は少し緊張したけど、僕は精神年齢が子どもたちとあまり変わらないのですぐにうちとけて楽しかった。学生時代に、試合のため教育実習に行けなかったけど、いい経験ができた」と普段の笑顔でにっこり。川崎市下平間小学校出身の鈴木達矢選手は「授業がいきなり質問だったので少し焦りました。昼休みに掃除を手伝ったり教室を見て学校が懐かしくなった。芝の状態もよくて楽しくゲームができた」と感想を語った。