川崎市麻生区古沢で6月10日、同区内の親子など約300人が参加して田植えが行われた。
魅力ある区づくり推進事業として米作りを通して親子の絆を深め、都市農業の大切さを知ってもらおうと、小学生とその親を対象に毎年行われているもので、参加者たちは泥だらけになりながらも数センチに育った苗を大切そうに植えていた。
ことしは5月上旬以来の天候不順の影響で苗の生育が遅れたため、例年の4枚の田んぼに植える分が確保できず、この日は半分の2枚の水田に数時間かけて植えた。
子どもだけでなく、親も初めてという人が多く、苗の植え方を習ったあとおっかなびっくりで田んぼに入り、1列に並んで目印のロープに沿って順に苗を植えた。子どもの中には、自分の番が来るまで水の張られた田んぼに入って、泥だらけになりながら追いかけっこをしたり、虫を追いかけて目を輝かしていた。
幸区や中原区など市の南部から参加した小学生は「田んぼに入ったのも初めてで、すごく楽しかった」、一緒に来たお母さんも「わたしも田植えは初めて。川崎にもまだ水田があることに感動しました」と喜んでいた。
この体験農業は、子ども会連合会、青少年指導委員会、体育指導委員会の3団体で構成する実行委員会が休耕田を借りて行っているもので、田起こしから収穫までを行う本格的なもの。
参加者を区が公募したところ、麻生区から61家族208人、区外から25家族86人の合わせて82家族281人が応募、定員の250人を上回ったが、全員を受け入れることにした。今後は、残る2枚の田にも苗を植え、7月に草取り、8月に網かけ、かかし作り、9月に稲刈りとかけ干し、10月に脱穀ともみすり、11月には収穫祭を行う予定。