狛江市元和泉の泉龍寺で4月8日、お釈迦様の誕生を祝う「花まつり」が行われ散歩や墓参りに訪れた参拝客は、境内の本堂前に置かれた花御堂(はなみどう)の小さな仏像に甘茶をかけ、同寺が用意した甘茶を飲んで伝統的な行事を味わっていた。
「灌仏会(かんぶつえ)」と呼ばれるこの行事は、花園で生まれた釈迦が、右手で天を左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と言ったとき、天から9匹の竜が降りてきて香水をふり注いだという言い伝えに基づく仏教行事。多くの花が咲く季節に行われることから日本では「花祭り」と称され、かつては全国各地の寺で花で飾った堂のなかに桶に入った仏像を安置して甘茶をかけて祝う行事が行われたが、いまは本堂でお経をあげるだけという寺が増えている。
同寺では、近くに住む檀家から届けられるツバキの花を使って毎年行われており、体に良いとされる甘茶をいただくのを楽しみにしている市民もいる。この日は、参拝に来られない家族のためにペットボトルに甘茶を入れて持ち帰る市民や家族に伴われた臨月の女性などが次々と訪れていた。