多摩病院見学会に2800人が来場

051003tamabyouin1JR南武線登戸駅東側に来年2月に開院する川崎市立多摩病院の施設見学会が10月1日に開かれ、当初の予想を大幅に上回る2800人の市民が来場した。
写真=上・多摩病院の外観(右の線路がJR南武線)、下・続々と来場する見学者
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見学会は、当初午前10時からの予定だったが、大勢の市民が並んだため15分繰り上げて実施。1時間で当初予測の1000人を突破し、病院の概要や施設平面図と見学ルートを印刷したパンフレットを急きょ増し刷りするほどの関心の高さだった。対応したのは、病院局多摩病院準備室職員と医療を提供する聖マリアンナ医大病院の職員ら数十人。
051003tamabyouin2見学コースとして公開されたのは1〜3階まで。1階の外来待合室、外来診療室、各種検査ゾーン、2階の手術室、リハビリ室、3階の個室・4人病室、ワークステーション、食堂、新生児室などをテープを張ったドアやガラス窓から内部を見学した。各室とも機材やベットなどがまだ置いていないがらんどうのスペースのため、入り口に立つスタッフに熱心に聞く人が多かった。来場者の多くは、中高年の友人や家族連れのグループ。関心を集めたのは病室で、木目調の床、木製ロッカー、シャワールームを備えたトイレ付きの個室に「ホテルみたい」と感想をもらしていた。また、かかりつけ医からの紹介システム「地域医療連携」を採用するため、外来室のスタッフに「紹介状がなくてもみてもらえるか?」などと聞いていた。

随所に省エネ対策 : 今後は医療機器を搬入し開院に向けトレーニング

病院特有の冷たい雰囲気をなくすため、外来待合室や廊下の床や壁は木製となっており、病室ドアには看護士のアイデアでついた病棟の愛称タンポポ、ヒマワリなどのマークが付けられている。3階にはウッドデッキに花壇、ベンチを備えた屋上庭園を造った。また、夜間の安価な電力を利用した「氷蓄熱空調システム」、雨水や雑排水を処理した水とトイレの清浄水に利用する中水道システム、20キロワットの太陽光発電システムなど省エネルギー対策を採用、外来待合室に発電量のパネルを表示している。
同病院は、地域の中核病院として急性疾患や慢性疾患患者の病状悪化など「急性期医療」のほか「救急医療」「小児救急医療」「災害時医療」を中心に行う方針。今後は開院までにMRIやCTなど最新の高度な医療機機器を搬入し、スタッフを使ってトレーニングを行い、開院までに備える。