川崎市麻生区の麻生小学校体育館で8月28日、中江雄二監督「ホテル・ハイビスカス」の上映会が開かれ、約900人の市民が手製のハイビスカスの花などで飾られた南国ムードいっぱいの会場で映画や沖縄舞踊などを満喫した。
同小での上映会は、ことし10周年を迎えるしんゆり映画祭(川崎市・芸術のまちづくり推進委員会・麻生区主催)のプレイベントとして2000年から毎年開催されている。
2年前から夏休み最後の土曜日に親子で野外映画を楽しんでと、親子で楽しめる作品を選び、食べ物の屋台やゲーム、フリーマーケット、映画にちなんだイベントなども催し、飲食自由な開放的な雰囲気で映画がみられると好評だ。
今回は、台風による雨で急きょ体育館に会場を変更したが、同映画祭を運営するKAWASAKIしんゆり映画祭実行委員会(白鳥あかね実行委員長)では、野外上映会で初めて体験する雨に大わらわ。実行委員やボランティアスタッフ、日本映画学校の学生など約100人が、体育館にシートを敷いたり、通路に模擬店用のテントを張るなど会場設営に追われた。悪天候のため人出が心配されたが、午後4時の開場とともに幼児や小学生を連れた親子づれなどがぞくぞくと訪れ、主催者をほっとさせた。
映画祭スタッフは、アロハシャツにハイビスカスの花飾りを髪に付け、観客を誘導、舞台下には、同映画祭のマスコット「シネマウマ」をアレンジしたシネマウマシーサーを飾られ、映画会を盛り上げた。
午後6時からは「沖縄祭り」と題し、川崎市を拠点に活動し沖縄の伝統芸能の普及・継承活動を行っている琉球民謡「絃友会」による琉球舞踊や民謡、手遊び歌などが披露された。
映画の上映後には、中江監督と主役の小学3年生の超元気少女・美恵子を演じた藏下穂波さんがあいさつ、フィナーレでは中江監督と藏下さんが楽しいときに踊る沖縄舞踊「カチャーシー」を観客と共に踊った。
白鳥あかね実行委員長は「10年目の映画祭の初日に当たる大切な野外映画会だったが、雨の中をたくさんの人が来ていただけて、すごくうれしい。きっとシネマウマシーサーが守ってくれたんでしょうね」と喜んでいた。