狛江市内の市民団体が市の補助金を受けて行う催しや事業について公開で審査する会が7月24日、狛江市元和泉のあいとぴあセンターで行われ、11団体が審査委員や市民の前で催しの内容などを説明、6団体が選ばれた。同市の補助金で公開プレゼンテーション方式が取り入れられたのは初めて。
「新しい風(狛江市市民活動事業)」と名付けられたこの補助金は、先駆的で特色ある公益活動を行う市民団体を育成するため、団体が催す事業に1団体上限15万円までの財政支援を行おうと今年度初めて設けたもので、総額は100万円。
同市市民協働課が5月26日に説明会を開催して参加団体を公募。福祉、国際交流、情報化社会、文化などさまざまな分野で活動する11団体が応募した。選考は「狛江市市民参加と市民協働に関する審議会」委員長で日本NPOセンター副代表理事・山岡義典選考委員長、萩原なつ子武蔵工業大学環境情報部眼鏡情報学科助教授、あいとびあセンター職員・小楠寿和さん、社会教育委員・河西洋子さん、東京財団リサーチフェロー職員・谷本有美子さんの5人。
午後1時からの審査は、参加団体がくじ引きで発表順を決め、各団体が事前に準備した資料やコンピューターのパワーポイントなどを使って、6分間説明、審査員からの4分間の質問に答える形式で進められた。
初めての公開プレゼンテーションとあって約40人の市民が出席。説明者は審査員の前で講演会や講座、多摩川の環境整備、乗馬会、音楽会、マップ作り、バリアフリースポーツのルールブック作りなど8月以降に行う事業内容を真剣に説明した。なかには緊張して言葉に詰まったり、使い慣れないコンピュータで説明用の画像がなかなか表示されないなどのハプニングのほか、選考委員からは資金計画や補助金を受ける必然性などシビアな質問も出て関係者をハラハラさせる場面もあった。
約2時間のプレゼンテーション後は、公開の審査会。審査員が別室で(1)先駆的・将来性(2)市民ニーズや地域性(3)事業計画と収支の現実性(4)事業実施の効果(5)事業実施団体の自立の可能性の5項目について第一次評価した合計点を張り出し、山岡委員長が評価について説明。その後、評価点や内容について各員が討論し、5人の委員が7票以内でラベルをはって投票する第2次審査が行われた。
その結果、全員が評価し5点を得た3団体と4票の2団体は決定。その後、3票の団体にもう一度説明のチャンスを与えて合格とし、各団体に15万円の補助金を付けることになった。
審査員からは「どの団体も熱心に取り組んでいる。税金を使って行う事業のためその妥当性をわかるように厳しく審査した。残念ながら今回補助金を受けられなかった団体は、来年また新たな企画でチャレンジし、市民活動を盛んにしてもらいたい」と話していた。市民団体からは「プレゼンは緊張したが、他団体の事業内容や審査の講評も聞け、とてもおもしろかった」と好評だった。
交付金を受ける団体と事業は
○こまえほたる村=多摩川環境保全清掃活動
○乗馬フェスティバル実行委員会=狛江乗馬フェスティバル
○手・サッカー協会=手サッカーの普及のための本の作成
○ミュージカルCoCo〜=ザ・ミュージカル!アラカルト
○狛江ともしび音楽隊=チャリティ歌謡ショウ「想い出の昭和」
○k-press=狛江ウォーキングマップの作成・刊行